モバイルコラム

** No.002 **
東北モバイル旅行
(99/07/16)
 先週、カミサンと二人で東北旅行に出かけてきた。せっかくだから取材も兼ねて流行の格安温泉グルメツアーを体験しようと、新聞のチラシを見て申し込んだのはH旅行社の「みちのく浪漫紀行」というツアー。
 1日目は東北新幹線MAXやまびこのグリーン車で仙台まで行き、塩釜神社、松島、平泉の中尊寺を見物して、岩手山中腹にある雫石プリンスホテルに宿泊。この日の夕食はカニ食べ放題つきのバイキングだ。
 2日目は角館、田沢湖、八幡平、三内丸山遺跡を巡って岩木山中腹の鰺ヶ沢プリンスホテルに宿泊。この日の夕食は日本海に沈む夕陽を見ながらの贅沢なもの。
 3日目は弘前城、八甲田山経由で奥入瀬、十和田湖へ。岩手県の厳美渓を見物して仙台に戻り、ここから東北新幹線MAXやまびこの普通指定席で帰京というコース。2日目の夕食のみオプションだが、あとは全て食事つきで3万9,800円という格安パックである。
 東北4県を2泊3日で駆け回るため、実にあわただしかったが、この旅行に出かけるにあたり、カミサンに約束させられたのが、パソコンを持っていかないこと。パソコンを持っていくと、宿でもニフティサーブやインターネットにつないでしまい、ろくに寝ないことになるからだ。これでは休暇が休暇でなくなってしまうことになる。
 そこでパソコンの代わりに持参したのが富士通の初代インタートップ。これなら軽いので、荷物にならずにすむ。強引に携帯端末を持参したのは、ニフティサーブの「コンピュサーブ&国際通信フォーラム」の運営を担当しているため。旅先でもフォーラムの様子をチェックする必要があったからだ。旅行に出かける前に、宿泊予定地に近い盛岡と弘前のアクセスポイントで接続できるよう設定をすませ、テストもして通信できることを確認しておいた。
 海外モバイルがうまくいかない人たちの原因のほとんどは、事前テストをしないで出かけてしまうこと。確実に通信したいなら、旅行に出かける前にパソコンや通信ソフトの設定をすませ、国際電話で接続できるかどうかを確認しておくのが鉄則だ。
 東北旅行中のメールについては、旅行直前に買い換えたiモード携帯電話に転送できるようにした。もちろんメール転送には、EmCmサービスを使用。実験中ということで無料になっているが、システム運営者がニフティサーブのフォーラムで積極的にサポートに当たっていて、「顔の見える対応」がなされているのがいい。
 旅行中、最初のメールが届いたのは、松島観光の途中。iモード携帯電話を使った漢字変換の方法も知らなかったので、とりあえず返事は保留した。さらに夜になってから何通かメールが届いたが、途中、iモードの不感地帯を通過中に届いたメールは、後で新しいメールが届いたときに、一緒に転送されてきたようだ。
 泊まったホテルは、岩手山と岩木山の中腹にあったが、冬のスキー客を考慮してか、近くにアンテナがあるようで、どちらも電波の強度は3本。iモードもOKだった。
 大半の観光地で、iモードも含むNTTドコモの携帯電話は通信可能だったが、十和田湖ではiマークが出なかった。
 パソコンを持参すると通信ばかりして休養にならないという心配も不要だった。睡眠不足のまま出かけたため、インタートップでニフティサーブにアクセスはしたものの、フォーラムを覗くのが精一杯で、あとはバタンギューだったからだ。疲れきっていた上に、温泉にも入ったせいか、大イビキをかいていたらしい。
 あわただしい旅行で、しかも観光地では、どうしても歩くことになる。ふだん座りっぱなしのせいか、初日に早くも足にマメができた。でも、うまく潰れてくれたおかげで痛むことはなし。梅雨の真っ最中だというのに3日間とも晴天に恵まれ、1年分くらいの距離を歩きまわったせいかヘトヘトに疲れたが、いい気分転換になった。
 旅行というと、自分で列車の指定席券も宿も手配して、勝手に出かけるものが多かったので、実は、添乗員の旗にゾロゾロついていく旅行に憧れていた。こんな体験が、いつか書きたいと思っているトラベルミステリーのネタになればいいのだが。
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 菅谷充(小説のときのペンネーム)著のユーモアミステリー「サラリーマンのためのパソコン入門講座〈殺人篇〉」(アスキー刊/アスペクト発売/854円)は、アスキーのオンラインショップ「arcs」で購入できます。小説の内容は「すがやみつるホームページ」の作品紹介ページ〈http://www.m-sugaya.jp/pcnovel.htm〉でどうぞ。(END)
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