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  • 03年11月上旬の日記

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    11月01日(土) 資料読み

     午前中に起床し、歴史関係の資料読み。昨日、大量の本を背負ったまま歩いたせいで腰がイテテテ。腰痛対策のためフィットネスクラブに出かけ、水泳800メートル、ウォーキング500メートル。帰宅後、また年表をひらきながら資料読み。

    11月02日(日) 資料読みつづく

     今日も資料読み。午後はフォーミュラ・ニッポン最終戦をテレビ観戦。レースは天気のせいもあって面白い展開となった。それなのにE席あたりのスタンドはガラガラ。といっても、こちらもテレビ観戦で満足してるからなあ……。
     レース観戦の後は徒歩で最寄り駅ちかくの喫茶店に出かけてメモを取りながら資料読み。帰途、新刊書店2軒、古書店2軒をまわる。

    ■今日、買った本

    『図説マッカーサー』(袖井林二郎&福島鋳郎 ・著/太平洋戦争研究会・編/河出書房新社・ふくろうの本/2003年10月刊/1,600円+税)......なかなか入手できない同じ著者による『マッカーサー 記録・戦後日本の原点』(1982年)を再編集したもの。写真が多く、将来、ダグラス・マッカーサーを題材にしたフィクションを書きたい身には非常に助かる。
    (その他、古書多数……)

    11月03日(日) 柳家紫文さんの三味線三昧でワハハハハ

     午前中に起床し、資料のメモを見ながら企画書の作成。夕方、雨の中をカミサンと池袋まで。柳家紫文さんから招待券をいただいた芸術祭参加の「紫文の三味線三昧!!」を観るため。今回も笑わせていただきましたが、紫文さんが初体験のカミサンは、考えオチのギャグがわからずキョトンとすることもしばしば。ギャグを解説するのは実にムナシイ。紫文さんの十八番「長谷川平蔵市中見廻日記」は、池波正太郎氏の『鬼平犯科帳』を知らなくても笑えるけれど、知っていると、もっと面白いはずだもんなあ……。ゲストの津軽三味線日本代表の太田家元九郎さん、浪曲漫談のイエス玉川にも笑わせてもらいました。とりわけ太田家元九郎さんは、つい先日、クルマで走っているときにラジオから流れてきた津軽三味線の「パイプライン」(ベンチャーズ)に思わず聴き惚れたばかりだったので、ナマで「パイプライン」を聴けて満足でした。
     帰途、池袋のイタリアンレストランで夕食。食前酒のビールを飲みながら携帯電話でメールをチェックしたら、先日送信したアスキーのマンガにミスが発見されたとのこと。編集部の方では直せないというので帰宅後、急いで修正することに。おかげで食事もあわただしくすませ、そそくさと帰宅しパソコンで原稿の修正。修正はなんとか30分ほどで完了し、大急ぎでメールで送信。あとはホームページの修正など。

    11月04日(月) 秋葉原へGO!

     午後、秋葉原まで出かける。ぷらっとホームの鈴木社長と会うため。西武池袋線と地下鉄丸ノ内線を乗り継ぎ、御茶の水下車。ここから徒歩で神田明神下脇のぷらっとホーム本社まで。時間が少し早かったので、いま企画を進めている作品にも登場予定の湯島の聖堂を少し散策。それでも時間が余ったので、秋月電子通商ドルフィンパワーという握ると発電できる携帯電話用充電器を購入。750円也。
     ぷらっとホーム本社で密談をすませたあと、ぷらっとホームの店舗に移動し、本多会長と久々の対面。さすがに老けた感じはするがパワーは相変わらず。4Fの店舗で128MBのUSBメモリーを購入してから秋葉原を去る。
     帰宅途中、あちこち寄り道。気がつくと背負っていたバックパックが古書で一杯で、またもや腰にズシリ。

    11月05日(水) モータースポーツ大賞受賞!

     先月の17日、小学館を定年退職する女性編集者のお祝いのパーティーに出席していたら、突然、携帯電話の呼び出し音が。この日、漫画原稿を守る会の方で、行方不明だったマンガ原稿を取りもどしに行っていた人たちがいたため、てっきり、その連絡かと思ったら大違い。突然、「モータースポーツ大賞に決まったので受けてほしい」といわれビックリ仰天。何の前触れもなかったので、驚くなというほうがムリってものだろう。パーティーの会場だったので、詳細は翌日あらためてうかがったが、受賞理由は、モータースポーツの普及に「地道に」貢献したことが評価されてのことらしい。しかも、一緒に特別賞を受賞することになったのが、倒産したオートポリスを再建し、再び国際レース、全日本GT選手権までも開催できるようにした大分県上津江村というではないか。こんな目立たない縁の下系の活動を認めてくださるとは、実に粋ではないかと日が経つにつれて嬉しさが募ったが、授賞式当日までオフレコとのことで、誰にも話せずジリジリジリ。個人的には、大賞と特別賞が逆でもいいのに……と思ったりもしたのでありますが、いずれにせよ、選考委員の皆さまのモータースポーツに対する温かな眼差しに、心から感謝いたします。
     ようやく今日、解禁になるのだが、その前に授賞式に出なければいけない。やはり着ていくものはスーツだろうと洋服ダンスからスーツを出したら、げっ、ダイエットのせいでスーツがダブダブ。いくらなんでもみっともない。痩せていた頃に買った古いスーツのうち、夏用は残っていたのだが、秋冬ものは処分されてしまていて、残っているのはジャケットだけ。しかたがないので、やはり少しダブつき気味のジャケットに、レーシングカーのデファレンシャルギアがプリントされたネクタイを締めて出発。西武池袋線に乗り入れている地下鉄有楽町線で新木場まで。この間に足りない睡眠時間を補い、新木場からは京葉線で海浜幕張まで。
     幕張メッセの東京モーターショー会場で担当者の出迎えを受け、待ち時間の間に会場を急いで巡回するが、時間がないのでレーシングカー系だけ集中的に見てまわる。もともと市販車には、あまり興味がないせいもあるのだが……。

     午後4時半からスタートしたモータースポーツに関するシンポジウム(今宮純さん、土屋圭市、脇坂寿一の両選手)を客席から楽しませてもらい、そのあとで表彰式。シンポジウムのスケジュールが押したのと、授賞してくださる旨国自動車工業会会長が、モーターショー閉幕記者会見を控えているせいもあってか、授賞式は駆け足。当初、1分くらいといわれていたコメントも、司会者から「一言」だけ感想を求められるかたちに。おかげでお世話になった方々への謝辞を述べるゆとりもなくなってしまったが、ま、しかたないか。
     授賞式のあとは、会場に来てくれた学研のK編集長と海浜幕張駅前の焼き鳥店でお祝いのビール。次回作のことまで話し、海浜幕張駅から特急で東京駅まで。ここでK編集長と別れ、中央本線経由で帰宅し、ホームページやメールでの受賞のお知らせを伝えることに。長い1日でしたが、気分のいい1日でもありました。

    ■すがやみつる、モータースポーツ大賞を受賞■

    11月06日(木) 腰痛で寝てられない

     昨日、革靴で歩きまわったせいか、今日は腰が痛くて早々と目が覚めてしまう。腰の痛みをこらえながらお祝いメールの返事を書いていると、あっというまに夕方。水泳に行こうかと思ったが、今日は仕事も休んで完全休養とする。夕食でビールを飲み、少し居眠りしたあと、さらにメールの返事書き。気づいたら、あっというまに深夜。ウィスキーを引っかけて寝ることにします。

    11月07日(金) 焼き物の展覧会へ

     午後、カミサンと一緒にクルマで高齋正さんのお宅まで伺い、ネットで発見した「高齋正ファンサイト」のファイルをコピーしたフロッピーディスクを届ける。その足で近くの「グリーン・テイル」お店の詳細)というギャラリーカフェで開かれている高齋さんの奥さんの陶器の展覧会へ。石臼で挽かれたコーヒーを味わいながら(香りがいい!)陶器や絵をながめ、花瓶をひとつ購入。
     そのまま古書店めぐりに出かける予定だったが、肩が痛いほどに凝り、腰も痛いため、まっすぐに帰宅し、しばし休養。身体がゾグゾグしてきたところをみると、どうやら風邪らしい。睡眠不足の日々が続いていたからなあ……。というわけで寝酒のかわりに、先日、薬局で購入した睡眠改善薬ドリエルを飲んで寝る。これ、抗ヒスタミン薬なんだそうで、要するに風邪薬を飲むと眠くなるのと同じらしい。効けばいいのだが。

    11月08日(土) いつもよりも寝られたかな?

     このところ4〜5時間で目が覚め、それきり寝られず、終日、寝ぼけているような状態が続いていたのだが、寝る前に飲んだドリエルが効いたのか、それとも飲んだことによる暗示にかかったのか、今日は7時間も寝ることができた。おかげで少し寝覚めもいい。これなら夕方にはプールにも行けそうだ。
     午前中に、新作架空戦記『風濤の艦隊』の見本が届く。たなかてつおさんのイラストがよくて、思わずニンマリ頬がゆるむ。
     その後、午後遅くまで資料調べなどした後、水泳の道具をデイパックに詰め込んで外出。目的地は西武池袋線の所沢駅。年に4回開催されている「彩の国古本まつり」へ、いざ出陣! なんてのは、戦国物の資料捜しも目的のせい。まずは所沢駅構内の新刊書店で新刊書のチェックから。おおおっ、東海林さだお氏のエッセイ・コラムの傑作選『なんたって「ショージ君」』が出ているではないか。厚さ5cm、1,340ページもある分厚い文庫だが、これは買わずにはいられまい。これで1,238円+税は安い、ダンゼン安い、ダンコ安い。全国のオトーサンは1食抜いても買うべきだ。値段以上の幸せな気分になれることは必定なり(あ、また時代劇調になった)。ついでに『図解・江戸城をよむ』という3,800円の本も買って、2冊で5,000円以上が飛んでいく。
     つづいて古本まつりが開催されている「くすのきホール」のあるビル1Fのワゴンで、どたどたと文庫本ばかり5冊ほど購入。エレベーターで8Fの会場に上がり、ここで買い物カゴを持って、これから書く予定の資料になりそうな本を片っぱしから引き抜いていく。冊数や価格よりも、重さの限界が来るまで買うのが流儀だが、現在、新刊で流通していそうなものは購入を控えている。絶版になったもの、雑誌やムックなど、すでに流通していないものが中心。そもそも最近は、絶版のサイクルが早く(「版元品切れ・増刷予定なし」ということも多い)、すぐに新刊が手に入らなくなってしまうため、古書店のお世話にならざるを得ないのだ。若い世代が顧客に多い新古書チェーンだと、歴史関係の本などを集めるのは至難のが技だが、旧来の古書店では、年配者からの出物が多いせいか、歴史もの、戦記ものも多く、非常に助かる。
     で、今日も、会場の半分ほどをまわったところで重さの限界に近づいたため、残りは早足で見てまわり、そのまま会計へ。大小合わせ23点、1万円強の買い物でありました。いちばん高かったのは1冊3,000円。新刊のとき16冊セットを10万円近くで買ったライフの「第2次世界大戦」シリーズが、1万6,000円で売られていた。架空戦記作家の方、掘り出し物ですよ。古本まつりは明日までですが。
     背中のデイパックに本を詰め、さらに両手に本の詰まったレジ袋をぶら下げ、えっちらおっちら西武池袋線で帰宅。あまりの重さに悲鳴をあげて、カミサンに電話してクルマで迎えにきてもらう。腰も痛すぎで、結局、水泳も休み。

     帰宅後、太田忠司さんの日記で、イラストレーター&デザイナーの辰巳四郎氏が亡くなられたことを知る。最近は新本格ミステリの装幀を中心とした抽象的なイラストの仕事が多かったが、昔は「週刊パーゴルフ」の表紙イラストをはじめ、スーパーリアリズムのイラストが多く、小説の挿絵では、写真や鉛筆画をコピーした独特の暗い絵柄で生島治郎氏のハードボイルド小説を飾っていた。ほかに戯画的な絵もたくさん描いていたが、そんな絵に魅せられて画集まで買ってしまったのは25年ほど前のこと。いまだに大事に持っている。ネットで検索したら今年夏、椎名林檎のポスター用にスーパーリアリズムのイラストを描いていたらしい。ほかに検索したら、椎名林檎と辰巳四郎氏は親戚だったらしい。いずれにせよ、とにかく合掌。

    ■今日、買った本

    『なんたって「ショージ君」』(東海林さだお/文藝春秋・文春文庫/2003年11月刊/1,238円+税)......東海林さだお氏の文章は、マンガと同様に面白い。しかも小市民的なシアワセの味を、スルメの足のようにしみじみと噛み締めさせてくれる。寝る前に1篇ずつ読むだけでも当分楽しめることマチガイなし。ムフフ。単行本のときは、あまりの厚さにめげたのですが、文庫だとだいぶ気が楽になりまする。
    『図解・江戸城をよむ』(深井雅海/原書房/1997年2月初版/3,800円+税)......こちらが買ったのは2003年10月30日付けの第3刷。江戸開府400年ということで、このような江戸物の出版物が相次いでいるようだ。
    ■関連図書:『定本・江戸城大奥』(永島今四郎、太田贇雄・編集/新人物往来社/1995年1月刊/4,854円)......明治の初め、朝野新聞に連載されていた元・大奥勤務の女性からの聞き語り(オーラル・ヒストリーですね)の文章をまとめ、いちど単行本化されたものを再編集した本。大奥の風習などがよくわかる。
    バラの花1
    バラの花2

    11月09日(日) 雨の中を落語に

     午前中に起床し、買い込んだ資料をメモを取りながら読んでいると、玄関でピンポーンとチャイムの音。同業者のSさんから届いた宅配便で、中身はモータースポーツ大賞受賞を祝ってのバラの花束。お気づかい申しわけありません。というわけで、さっそくカミサンが花瓶に活ける。下の写真の小さな花瓶は、一昨日、買い求めたばかりの高齋正夫人の作品です。
     夕刻、バスで吉祥寺に出てJR総武線で高円寺へ。移動のあいだは『なんたって「ショージ君」』をウハウハしながら読みつづける。
     高円寺駅では構内のあじさい茶屋で、とろろ、めかぶ、わかめの入ったスタミナそば(480円)の夕食。スタミナとつくと肉やらモツやらが入るのが当たり前だったが、最近のヘルシー志向に合わせてか、ヌルヌル系&海草系の健康食品になっている。
     食事のあとはノラやの落語会。本日の出演は柳家三太楼さん。ネタは「井戸の茶碗」と「小言辛兵衛」。将来、時代小説も書いてみたい身にとっては古典落語は、非常にいい教材になる。ウハウハと笑ったあとは打ち上げの飲み会。ただし今回は、ノラやの常連よりもノラやは初めての三太楼さんのファンが多く、店内もギュウ詰めだったため、常連組は店の外で飲食。
     雨が降る屋外は寒く、ビールはやめて焼酎のお湯割りに変更。これも1杯飲んだだけで帰宅することにし、同じ方向に帰る女性ライターと電車に乗るが、ふたりとも寒さに震えていたことが判明し、吉祥寺で飲み直ししようということで衆議一決。ハモニカ横丁の飲み屋へ移動し、焼酎のお湯割りを飲んで身体を温める。この店も11時半で閉店だったので、ここで切りあげタクシーで帰宅。さらに自宅で焼酎のお湯割りを飲んでホカホカしながら楠木誠一郎さんのホームページの更新などしたあと、ただちに寝る。

    11月10日(月) 資料読み

     終日雨。ひたすら資料を読み、あとは「漫画原稿を守る会」のための原稿受渡し証づくり。ついでに『なんたって「ショージ君」』も読了してしまう。ムフフ、満足、満足。


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